ホビーカフェ ガイア[三重県伊勢市] 木目間隔が狭い尾鷲ヒノキを、模型の世界で使ってみる(ホビーカフェガイアさんの日記)

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木目間隔が狭い尾鷲ヒノキを、模型の世界で使ってみる

2016年9月14日 (水) 21:58 模型製作素材のお話

今日はここしばらくでは珍しく、ちょっとのんびり気味の1日……
そんな中でもお越し頂きましたみなさまに感謝でございます(*´∀`)

さてさて──話はこの前の日曜日に遡りまして。
毎週末の朝、コーヒーとジオラマ談義にお越しいただくお客さまが

「素材で使えるような薄い木の板、見かけなくなったねぇ」

そうなんです。
かつては街の模型屋さんに、すげー薄いバルサ材などの木材とかがありました。
あと竹ひごとかもね。
ですが今は「街の模型屋さん」がすっかり姿を消したり、そういう素材を扱ってなかったり。

で、入手ルートのお話とか代替品のお話になって。
世間のモデラーさんの多くは今、木目を手書きしていたりするわけですが…
その手間だけでもなんとか省ける方法はないかなぁ、と。

そこで担当者がふと思いついたのが[尾鷲ひのき]でした。
三重県尾鷲市近辺は、痩せた土地&急斜面の山に囲まれているため短い日照時間が特徴。
そのせいで、そこで育つ木々はゆっくり時間をかけて成長します。
その結果……年輪と年輪の間隔がとっても狭いのです。

普通の木の木目だと、間隔が広くて1/1感が満載になってしまいます。
ですが年輪の間隔がとても狭い尾鷲ひのきなら、縮尺感が出せそうじゃないですか(*´∀`)

ただ、そんな尾鷲ひのきの薄い板とか、どこで手に入るんだろう…
木工所でお願いしたら特注扱いになってなかなかお高くなりそうです(;´Д`)
んで…

「かんなくずだったら安くね? それプラ板に貼ればよくね?」

ってわけで昨日、定休日なのをいいことに、ちょっと尾鷲まで行ってきました。

正直、知ってる業者さんとか木工所とかがあるわけではありません。
ですので、[尾鷲ひのき 工房]でネット検索して……
飛び込みでおじゃましたのが[えびすや]さんという手作り雑貨工房。

おわせヒノキの手作り雑貨 えびすやさん 公式webサイト

こちらで事情をお話したところ……かんなくず、分けて頂けました!
ありがとうございます(*´∀`)

というわけで本日。
いただいてきたかんなくずを使ってちょっとテストです。

気になる課題点は…

  • 激薄かんなくずで、木目がどのくらい視認できるか
  • 木目のスケール感はどのくらいの縮尺まで対応できそうか
  • 木工用ニスではなく、皆さんが慣れてる模型用塗料で塗装したらどうなるか

さてさて。
まずはかんなくずをプラ板に貼るところから。
ちなみにかんなくず、尾鷲ひのきの乾燥材をカンナがけして出てきたものですから、乾きまくってカッサカサのバリバリ……なので、水に濡らして柔らかくしてやります。
んで、水分を取るのも兼ねてティッシュで挟んで、軽く抑えてやること約1分。
ややしっとり気味くらいまで水分を取れたら、プラ板に貼ってみることに。

尾鷲ひのきのカンナくずと、白く塗ったアクリル板…これを接着します。

なお、今回はプラ板ではなく、たまたま、幅2センチと手頃な大きさのアクリル板があったので、それを使うことにしました。
木目がちょっとでも見やすくなるよう、あらかじめアクリル板をクレオスのクールホワイトで塗って、乾燥させ…
そこに、塗膜を侵さないセメダイン社の模型用ハイグレード接着剤で接着です。
その際には木目がなるべく垂直になるように意識しておきます。

アクリル板にカンナくずを接着。木目、見えてます!
写真でおわかりいただけるように、薄いカンナくずの向こうに白いアクリル板が透けてますが、木目、そこそこ見えてます!
このあと、接着剤が充分硬化するまで約5分ほど…
その後、カンナくずのはみ出てる部分をハサミでカットします。
とっても薄いので、普通のハサミで充分切れます。

ひとまずこれをそのまま、1/35 M3リーmk1と並べてみたら…
尾鷲ひのきのカンナくずを貼ったアクリル板と1/35M3リー

それほど違和感ないです。1/35のスケール感は、それほど損なわれてません!
これ、今回使用したアクリル板が幅2センチですが、も少し幅を狭くしてやればなおよさ気(*´∀`)

さて…今度はこれに色付けたらどうなるのか。
とりあえずサクッと半分弱の範囲に、クレオスのクリアブラウンを吹き付けてみて。
その後でふと思いつきで、タミヤエナメルのX-9ブラウンでドライブラシかけてやって、ライターオイルで拭き取ってみました。

尾鷲ひのき+アクリル板に、色を付けてみました

上がクリアブラウンを吹いたエリア。
んで上下それぞれ、右側がタミヤエナメルのブラウンをドライブラシしてオイルで拭きとってます。

正直、クリアブラウンの方は…木目がちょっと見えにくくなってしまいました_| ̄|○

ですが!
クリアブラウンなしで、エナメルのドライブラシ→ふき取りをした右下エリア…
「見える木目」がいい感じに増えてるし濃くなってるし!

これをさっきのM3リーに合わせてみたら…
色をつけたバージョンを1/35M3リーに合わせてみた
さっきよりも一層、1/35な木材感が出てきましたよ(;゚∀゚)=3ムッハー
ちなみにかんなくずの木目の中には、間隔がちょっと広い箇所もあります。
1/8とか1/12あたりで使用する場合は、そういう箇所をハサミで切り出して使えばよさ気。

ってわけで「尾鷲ひのきのカンナくずを白プラ板に貼って利用」、模型の世界で有効のようです!

今回の実験で作成した木目パネルとカンナくず。
ホビーカフェガイア店頭にて保存しておきますので、見てみたい方はぜひお声がけください(*´∀`)

<戦国アストレイ頑駄無、参るッ! 音楽で賑わったお昼がすぎれば、プラモ初体験さんの挑戦タイム>


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